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新アダムスキー全集

 ├ 写 真
中央アート出版社
TEL : 03-3561-7017
E-mail :info@chuoart.co.jp
 近世のアダムスキー

UFO Contactee No.110 1990 より

 前途程遠し。思いを雁山(がんざん)の暮(ゆうべ)の雲に馳す。

 古来、宇宙の姿は現代人が持つイメージとはほど遠く、太陽その他の星々は地球を中心として回転していると考えられていた。これを根底から覆したのがポーランドの天文学者ニクラス・コベルニクである。ラテン語でニコラウス・コペルニクスという。

 彼は天文学一筋に生きた人ではない最初はクラカウ大学で神学と医学を学び、次に数学と天文学を学んだ。これらの学業は主としてイタリアで習得したが、帰国後はフラウエンブルクの寺院で聖職者として生涯をすごしている。 したがって科学と神学の両道を歩んだわけで、科学一辺倒の唯物論者ではない。

 聖職者で科学的発明発見をした人は少なくない。遺伝学のいわゆるメンデルの法則を発見したグレゴール・ヨハン・メンデルもその1人で、彼は」1856年に、勤めていた教会の小さな庭でエンドウを材料として遺伝の実験を始めたが、有名な法則を発見するまでに7年を要した。

 こうした偉大な先駆者に共通する宿命は、同時代人に理解されないという点にある。コペルニクスの場合は、1530年頃に 『天体の回転について』と題する著書の原稿が完成したらしいが、この中で有名な地動説を主張したために、教会の迫害を恐れて、すぐには出版しなかった。

 当時のカトリック教会では天動説が絶対的な真理であり、太陽を始めとするあらゆる天体は地表の世界に従属するものと信じられていた。これに反論を唱える者には異端として破門から極刑までが待ち構えていた。

 しかし友人達の熱心な激励によってコペルニクスは出版を決意したけれども、最初の校正刷が届いた時にはすでに重病で死の床にあった。

 だが、このような大発見が見逃されて埋もれるはずはない。同調者は必ず現れる。ガリレオ・ガリレイがまず躍り出た。彼は数学と物理学で名声を博したが、もとオランダで発明された望遠鏡を改良して倍率を高めた上、これで木星の衛星、月の山や谷、太陽の黒点等を発見して、地動説に対する信念を強めた。

 しかし当時の神学界を支配していたカビの生えたようなスコラ哲学の学者や聖職者達がガリレイを黙視するはずはなく、1616年には地動説を撤回せよとの命令が正式に法王庁から出た。

 これでへこたれるようなガリレイではない。1631年、またも 『天文学対話』 と題する著書を出して地動説を煽り立てたからたまらない。ついに翌年宗教裁判にかけられて、地動説を捨てるかそれとも火あぶりの刑かという瀬戸際まで行き、恐ろしくなった彼は屈服して地動説の誤りを証言し、誓約書を取られて釈放された。帰宅してから「それでも地球は動いているんだ」と呟(つぶや)いたというのは少々伝説じみているが、死後は葬儀も墓の建立も許されなかったというから、1600年代の法王庁というのは『地獄からの訪問者』の集まりみたいな所だ。

 ガリレイが 「あれは、ウソでした」と述べて助かったのはまだよい方で、地動説を最後まで支持して、ついに宗教裁判の結果、焼き殺されたのは、やはりもと聖職者であったジョルダノ・ブルーノである。

 イタリア・ルネサンス期の大先覚者ブルーノは、コペルニクスの地動説ばかりではなく、無限の宇宙に無数の世界が生成消滅し、宇宙に絶対的中心は存在せず、万物はみな平等であるという説を打ち出したのだ (なんという驚異的人物!)。

  こうして反スコラ哲学の論陣を張りながらヨーロッパ各地を歴訪し、1592年に帰国した所を逮捕され、7年に渡る宗教裁判でも自説を曲げず、ついに1600年2月、ローマ市内の 『花の広場』 で火刑に処せられた。「何か言い残すことはないか」と火付け役人から聞かれたブルーノは、「お前達のような虫ケラに言うことはない!」と罵声を浴びせて従容として死んでいったと伝えられている。

 4年前『花の広場』 に建つブルーノの銅像の頭や肩に多数の鳥がとまっていた光景を思い出す。在世中も友達は小鳥達だけだったのかもしれない。

近世のアダムスキーともいうべき右の人々の業績は今や常識を通り越してすでに忘却の彼方へ去りつつある。今日ブルーノの名前などは誰も知らないが、宇宙が無限であり、万物が平等であるという思想は子供でも有している。

 世界が日進月歩の勢いで発展すれば、昨日の大発見は明日の時代遅れとなる。しかし先駆的な説や主張が市民権を得るまでの道は遠い。「前途程遠し。思いを雁山の暮の雲に馳す」という体の研究や活動は 「呈GAPのみならんや」だが、我々の辞書には失望という文字はない。「どうせここまでやってきたからには、あとには引けない」という悲壮感も持たぬ。あるのは信念のみ。

 たぶん来世紀の中葉以降から太陽系の全惑星に人類が存在する事実が一般に知られるようになり、アダムスキーの名も世界的に浮上するだろう。そのように確信せざるを得ない理由もいろとにかく、ムキにならず、といって消極的にもならず、明るい希望を持って堂々と前進しよう。今は焼き殺される時代ではないから恐れる必要はない。

(久)

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