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新アダムスキー全集

 ├ 写 真
中央アート出版社
TEL : 03-3561-7017
E-mail :info@chuoart.co.jp
 <巻頭言> 新世紀の曙光

UFO Contactee No.136 1997 1月発行 より

いよいよ1997年。20世紀は余すところ3年となって世紀末も切迫してきた。これで思い出すのが戦後から流布していた世紀末現象特有の恐怖の予言類である。世界の大変動、地球全体の破滅、日本列島の沈没、その他の不気味な輩語が飛びかい、この関係の書物を書いて大儲けした文筆家も少なからずいた。

だが今頃は沈んでいるはずの日本国は未だに健在で、来世紀に備えて各種の発展策が官民から講じられているし、未来には明るい展望が開けている。

確かに沈下した土地もあったが、それは現代の事件ではない。2000年以上も前のエジプト、アレクサンドリア沖にプトレマイオス朝時代の王宮跡やクレオパトラ女王の宮殿の遺跡が最近フランスの海洋考古学者ゴッディオ氏によって発見されたと最近新聞で報道されたから、大地震による沈下現象は大昔からあったのだろう。だがアメリカのある眠れる予言者から出ていた日本列島の沈没が1960年代から始まるという予言は大はずれだった。
▲1996年11月7日、火星探査機「マーズ・グローバル・サーベイヤー」搭載しケープ・カナベルの基地から発射されたデルタ2型ロケット。

いわゆる超能力による予言者といってもピンからキリまであるので、そのすべてを信じてかかるのは危険である。たとえば91年の湾岸戦争中「イラクのフセイン大統領は戦争中には死なないが、終結後に急死する」とアメリカのある有名な星占い師が予言したけれども、やはり的はずれだった。同大統領はいまだにピンピンしている。

大体に大宇宙の中の微小なケシ粒ほどでもない地球という惑星の表面に轟いている地表に生えたカビみたいな人間の個々の運命が、宇宙空間を運行する天体と関連などあるはずがない。この占星術をアダムスキーが徹底的に否定して警告していたことがある。

しかしここでは占いのすべてを否定するものではない。たとえば戦後まもない頃に山口県の某所でトランプを用いて占なう有名な占い師がいることを親類から聞いて、わざわざ一泊で訪問したことがある。このときは最初から不思議な現象が展開した。古びたカード一組を当方へ渡し、切ってから伏せたまま畳の上にばらまいて任意なカード10枚ほどをひっくり返せという。すると意外にも黒ばかりが出てきた。

それを見ながら先生は当方の質問に次々と明快に答えてゆく。その内容は後年回想すると恐ろしいほどに的中していた。しかし最後に出た次の回答だけはまだ当否の結果が出ていない。

「あなたは晩年になって洋々たる人生を過ごし、輝かしい存在になる」

輝かしくなったのはアタマの頂上の方だけで一向に芽が出ないが、この占いの凄さはいまだに忘れられない。明らかに超能力の応用であり、科学的には未知の波動を応用した現象だろう。

アダムスキーによると、地球人の精神面は太陽系中最低だが、科学力ではかなりなレベルをいっているという。これは「地球人が太陽系の他の惑星群と同等の水準に昇華するのは科学力による」という編者の持論を適正化することになるだろう。というのは宗教や哲学はそれなりの効果を発揮しているだろうが、それよりもてっとり早いのは地球人が巨大な有人宇宙船を建造して別な惑星を訪問し、物心両面の大文明に直面して驚博し、話にならぬ彼我の差を知ることだ。そうすれば大反省と地球全体の結束による一大奮起の機運が怒涛のごとく生じるだろう。

その嚆矢(こうし)はすでに歴然としている。昨年11月(1996年)にアメリカが打ち上げた火星探査機「マーズ・グローバル・サーベイヤー」が火星の大文明発見の公式使者となるだろう。すでに米政府は火星に関する詳細を知っているはずだが、2005年までに10機の探査機を打ち上げるのは、たんなる観測の域を越えて、もっと深い意義を持たせたものであろうと思われる。

一方、今世紀末か来世紀初頭には、別な惑星から宇宙船が大挙して地球に飛来するという情報もある。これはすでに一般地球人がいわゆるUFO(未確認飛行物体 に対してさほど恐怖心を起こさなくなり、これらが別な世界の文明の所産であることに何となく気づいてきたからだというのだ。したがってこれらは使者として来るのであって絶対に侵略や攻撃ではないということを米政府あたりがいつか公言するだろう。とにかく21世紀に真の意味での宇宙時代が到来することは間違いない。結局アダムスキーの正当性は遠からず立証されることになるだろう。

彼が50年代に初期の書物で伝えた太陽系の別な惑星群の実態は世界的に否定、揶揄(やゆ)、嘲笑の的になって、翻訳して彼を支持した編者も一部のUFO研究家から攻撃にさらされたが、絶対に真実であるという信念がなぜか崩れることはなかった。後年多数回渡米して徹底的に調査した結果、アダムスキーの体験がまぎれもない事実であったことを確認したけれども有頂天になることもなかった。

結局歴史はある必然のコースを前進し、しかも地球世界は間違いなく宇宙的な方向に進むということを何かの理由によって編者は潜在意識下で知っていたとしか思えない。その理由なるものは人間の生命の連続現象(転生)に関わりがあると思われる。望むべきは太陽系ばかりではなく人間の転生の法則まで突き止めるほどの科学の宇宙的な大発展である。

(久)

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