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 ドラニギャンの怪事件  J・シャセーニュ

UFOと宇宙 No.15 1975年12月  より

なぜドラニギャンにUFOが集中するのか?
円盤から出てきた宇宙人の正体は何なのか?
スリルとサスペンスに満ちた驚異の事実談?

▲最初に出現した人影。背後に白い輝きが見える。

第1段階

1973年10月19日金曜の午後8時半頃、ドラギニャンの青年ガブリエル・デモーグはガール・フレンドを彼のバイクの後部に乗せて、マルモン山の頂上に向う道路を走っていた。この山は高さ507メートル、頂上からは地中海、サン・ラファエル、その背後の北方に連なるモール・デュ・シュ山系、それにカンジュール平原などの絶景が手に取るように見渡せる。北東から吹いて来るやさしいミストラル風のおかげで空は晴れ上り、この若い恋人たちは頂上近くの見晴し台まで昇って周囲の風景を楽しむことにきめた。

突然、彼女の左側にすごく明るいオレンジ色の光球が出現して2人のバイクと同じ方向に飛びはじめた。すこしうすい色の後光に包まれている。その後光の色は一様でなく本体の周囲を回転しているように見えた。このとき2人はまだ頂上から1キロメートル以上も手前にいたが、バイクを止めてこの物体を観察することにした。光球は西から東へゆっくりと動いている。高度もたいして高くはないし、彼らからそれほど離れてもいないようだ。5、600メートルくらいだろうと2人は推定した。中心の光球の見かけの大きさはメロンくらいだった。物体はマルモン山の南斜面の上空を飛んでいたが山頂で消滅して、あとには赤い輝きが残った。この輝きは木々の聞からもよく見えた。彼女はこれ以上進むのがこわくなり、ガブリエルは彼女をドラギニャンの自宅に連れ帰った。それから彼は1人の友人に出会ってその話をした。この友人はUFOに関心を抱く人々が集まって作った小さな団体のメンバーだったので、彼は同志に連絡して全員で目撃地点を調査することにした。

第2段階

彼らは2台の車に分乗して出発した。1台目はアラン・ルカの運転するR8で、ガブリエルの友人が同乗した。2台目はフィアット128でジョルジュ・マクレが運転し、クリスチャン・バンサが同乗していた。彼らは非常にせまい道路を通って見晴し台に到着し、下車する前にまず、すぐ下山できるよう車の向きを変えてからライトスイッチを切った。それから皆は見晴し台付近に集合した。そこには登山者のためにベンチが2脚置いてある。

目が暗闇になれてくると彼らは、マルモン山頂にボーッとひろがる白い光にまず気がついた。山頂までの距離は、彼らが立っている見晴し台から80メートルもあるだろうか。その輝きから聞こえてくるのではないかと思われる奇妙な音にも彼らは気づいた。この音をうまく言いあらわす適当な言葉が見当たらないのだが、ラジオのピーという雑音に近いとでも言ったらよいだろうか。この不思議な音楽を聞いた者のうち、だれ1人としてまだ正確な説明ができないのである。

そのとき、見晴し台のパノラマ図の上にかがみこんでいたジョルジュ・マクレは、パノラマ図が突然熱くなって1種の熱波が彼の体内を通過するのを感じた。

ほとんど同時に彼の仲間たちも、周囲の気温が急に上昇しはじめたのを感じた。

続いて、山頂の白い輝きの上に赤い光が見えた。この赤光は山頂から見晴し台に至る山道を降下しはじめた。まるで非常に重い人間が山道を降りて来るように、小石がザクザクと鳴るのがハッキリ聞きとれた。

4人は不安になった。ジョルジュ・マクレ、クリスチャン・バンサ、それに3人目の男は低い壁の後にかくれ、アラン・ルカはベンチの1つ上にピッタリと伏せた。

赤光が下降して来るのを見つめてhた4人は、高さ3メートルもありそらな黒い人影が赤色といっしょに動いでいるのに気づいた。はじめに聞こえたピーという口笛のような音は、その後もずっと続いていた。

人影はジリジリと、目撃者たちから25メートル、アラン・ルカのR8から20メートル以内の地点まで近づいてきたが、そこで何かを拾い上げるように立ち止った。約30秒もすると人影はふたたび身を起こし、腰のあたれで輝いていた赤い光も消えた。すると、ピーという音も止んだのである。 あとはただ暗黒と沈黙が残るだけだった。

やがて、R8のあたりで小枝の折れる音がして、R8自体も何度かひどくゆすぶられた。そのあとは−大混乱である。それまで何分聞か他の仲間をひきとめていたアラン・ルカも、たまらなくなって逃げろという合図を送った。エンジンがかからなかったら谷の薮にかくれようと前から打合せのできていたジョルジュ・マクレとクリスチャン・バンサは、一目散にフィアット128にかけつけた。

ルカの友人はR8にかけよったが、ドアを開けようとしたとたん、山頂から強烈な白色の光線が輝いて彼らを明るく照らしだした。彼らがあわてて地面に伏せると、数秒後にはふたたび何もかも暗闇に包まれた。そこで彼らは車に乗り込んだのだが、今度はエンジンがかからない。だが車は下向きに置いてあったので、チョイとひと押ししてやるだけでエンジンは動きはじめた。ジョルジュ・マクレとバンサはもう出発してしまっていた。彼らのフィアットのエンジンは正常に作動したのである。

R8の2人のほうに話をもどそう。アラン・ルカはこの緊急事態にも驚くほどの冷静さで沈着に振舞ったのであった。

▲運転者は叫んだ。「君たちは味方か、それとも敵か?」

アラン・ルカはR8を運転した。エンジンがかかると彼はほんの数メートル走っただけで停止し、後を振り返って見た。最初に彼が見たものは、車から5、6メートルしか離れていないところに立っている、さっき頂上から降りて来たのと同じような影だった。続いて彼は、第2、第3の人影が見えるのに気がついた。3人とも背が高く、2メートル以上もあった。アラン・ルカはもう1度車をスタートさせたが、10メートルか15メートルほど走るとまた停止した。人影はどれもじっと立っているだけのような気がしたからである。彼はギアをバッタに入れて彼らのほうへ後進し、1番近い人影から5メートルくらいの地点で車をとめた。

人影はまた動きはじめ、ギクシャクした歩みでルカに近よって来た。アラン・ルカはドアを開くと片足を地面におろし、うしろを振り向いて「君たちは味方か、それとも敵か?」と3渡呼びかけた。

車に1番近い人影が左後にいる人影の方に向きなおり、3人の間で奇妙な話し合い(すくなくとも、目撃者たちにはそう見えた)がはじまったー ちょっと言葉では表現に困るような、高くなったり低くなったりする口笛のような会話だった。それから3人は前よりすこし速めの速度で(ルカにはそう思われた)前進をはじめたので、ルカは単にもどると走り去った。

だが彼は50メートルも走るとふたたび車を止め、彼らが追いかけて来はしないかと振り返って見た。だれも追跡して来ないことがわかったので彼はせまい平地を利用して車の向きを変え、ちょっと待ってからライトをつけたまま、窓は閉じたままで、パノラマ図の台めがけて全速力で走りもどった。恐怖から回復したので今度はコンタクトしてやろうと決心したからだった。友人のほうは恐ろしさのあまりこの間ずっと彼の上衣をにぎりしめていたので、前述したようにルカが車外に足を踏み出すためには彼の手を振り性どかなければならないほどだった。

ルカはパノラマ図の台まで走りもどったが、見える物は何もなかった。人影もなければ赤い光もない。ただ初めに見た白いボーッとした輝きが頂上に残っているだけだった。

このときになってアラン・ルカは急にこわくなった。もう何も目に入らなくなった。車から出たら、あの人影がどこか近くにかくれていて彼に飛びついて来そうな気がする。パノラマ台までもどると彼はライトをつけたままゆっくり車を回し、今度こそまっしぐらに走り去ったのである。やれやれ、と同乗の友人も安心した。

 1、2時間後彼はふたたびドラギニャンから山に登った。今度は1人だけである。目に入る物は何もなく、白い輝きももう消え失せていた。ただ、絶縁テープの接着剤の焦げたような奇妙な臭いが空中にただよっていた。

ルカが車をバックさせた話にもどる。彼がR8を後退させたので車の後部の赤ランプが点灯し、そのおかげで彼は追跡者をよく見ることができたのだった。以下は人影についての彼の説明である。

身長は2メートル以上、衣服の色は赤でひとつながりになっており、燐光などは発していなかった。

 衣服の腹部には赤い光がついていたので、服が赤く見えたのはこの光のせいではないかとルカは考えている。ヘルメットというか、頭部は4角形で、目の位置に1個か2個の長方形の穴があいていた。歩きぶりは機械のようにゆっくりしている。1人はヘルメットをかぶっていなかったが、ガスマスクのような面をつけており、顔の前には何かベールのようなものがひらひらしていた。

つまらない説明だとお思いになるかもしれないが、緊急事態だったのを忘れてはいけない。アラン・ルカは単なる傍観者ではなく、事件の当事者だったのである。彼は自分で確信のあることしか話してくれなかった。のちほど私たちは同じ時刻に同じ場所で目撃者たちと共に事件を再現してみるつもりだ。もっと詳しいことが彼らの記憶によみがえってくるかもしれないからである。

最初の車はどうしただろう。

第3段階

この車を運転していたのはジョルジュ・マクレで、彼の右側の助手席にはクリスチャン・バンサがすわっていた。2人は他の仲間も待たず、全速力で逃げ去ったのだが、まだ100メートルくらいしか走らぬうちに、、山道の急カープの数メートル手前で不気味な光景に出会った。

2本の赤い足"がチラリと見えたのである。燐光を発しているようなその足は、車の数メートル前方の道路を2歩で横断した。同時にヘッドライトが消え、続いて計器板のライトが消えたので、2人は暗闇の中や乱暴なUターンをしてあぶないところで衝突を避けた。するとふたたびヘッドライトが点灯し、計器盤のライトも1つずつ、加変抵抗器でも操作したようにつきはじめた。

ジョルジュ・マクレの話では、エンジンはこの間ずっと動いていたというが、果たしてそのとおりだったかどうかは確認されていない。その地点で道路はきわめてせまく (約2・5メートル)、傾斜も急である。赤い足"現象が生じた瞬間にブレーキを踏んだことはマクレも認めているので、フィアットのエンジンはライトが消えたのと同時にマクレは気がつかなくとも1瞬停止し、彼がアクセルを踏んだときふたたび動きはじめたのかもしれない。

とにかく2人はそのまま谷をさして走り続けた。クリスチャン・バンサは恐怖のあまり計器板のかげに小さくなっていた。

それから約150メートルほど行くと平らな駐車場がある。マクレはそこに事を止めた。後から来るはずのアラン・ルカを待とうとしたのである。だが、ルカの上に何事か起こったのではないかと思いはじめると、山を昇ってもとの場所までもどるどころか、駐車場で10秒以上待つ勇気さえ消えうせてしまった。恐ろしくてたまらぬ上にー控え目な言い方をしても−全く何の役にも立たない同乗者しかいない。彼はもう1度車をスタートさせると狂ったようにドラギニャンさして走り続けたのだった。

1キロほど走るとまた2本の赤い足"が見えた。今度は茂みにおおわれだ急斜面を道路めがけてまっしぐらに歩いて来る。しかしフィアットは足が道路までたどりつかぬうちに走り過ぎた。この話をしたのはジョルジュ・マクレだけである。クリスチャン・バンサはまだ計器板のかげで小さくなっていた。


ここで前述の2つの出来事を検討してみるのも良いことではないかと思われる。最初の事件では、道路はせまい上に両側にはウバメガシが密生していた。したがって車中の2人の注意が道 路上に集中していたことは間違いないだろう。だから、かなり背が高かったという人影の1人の、足だけが見えたとしても不思議ではない。

 しかし、2度目の事件では情況は大変異なる。今度は車からすこし離れたところに、そしてヘッドライトの光の届かないところに出現している。したがって最初の事件の説明はここでは当てはまらない。車の速度についてさえ2人の証言は食い違っているのだ。


フィアットの2人の風変わりな休験はまだ終わったわけではない。マルモン山とドラギニャンの中間で、彼らはまたもや1つの事件に巻きこまれたのである。マクレが何もしないのに車はいきなり横にふれて道路と直角になり、続いて今度もマクレは何もしないのにもとの位置にもどったのである。何か目に見えぬ巨大な力が働いて車を動かしたようだった。そのときのフィアットは時速60キロから70キロの間で走っており、その地点の道路は真直ぐで、路上には小石もちらばってはいなかった。これを何と説明したらよいのであろうか? 車中の2人も同じように感じたので、2人から別々にこの体験についての感想を開いたときも、2人とも同じような話をしてくれた。その後2人はドラギニャンの町はずれでもう1台の車を待つことにした。彼らの冒険はやっと終わったのだった。

15分か20分もたったころアラン・ルカたちの車が帰って来たので、彼らはもう1人の友人の家に行って自分たちの体験談を物語った。この友人によると、彼らは死人のように青い顔をしてやって来たという−この事件を私たちに知らせてくれたのも彼だったのである。

▲ドラニギャン付近図。フィアットに乗った2人の体験を示す。

さて、話はこれでおしまいである。 だが、彼らの話は事実だろうか?

第1の可能性

それは、4人の仲間の友人たちがデッチ上げたでたらめである。

彼らがした準備や事件の舞台装置、その他考慮にあたいするさまざまな要素などをよく検討してみよう。その上、こんな場合にはホラふきたちは、彼らの話にだまされた犠牲者が必ず現場を訪問するようあらかじめ考えておかなければならない。だが4人はガブリエル・デモーグの話からマルキン山に昇っただけである。とすると、ガブリエル・デモーグもホラふき仲間の1人だったにちがいない。だが、この事件での彼の役割は、それほど特異とは思えない、したがって真実であろうと十分考えられる目撃報告をした、というだけである。

だから、もしこの事件が全くのデッチ上げであるなら、目撃したというものいっさいの説明ができるようにするためには、細部まで行き届いた1つの物語を考え出さなくてはなるまい。山頂の白い輝き、赤い灯をつけて近寄って来る人影、R8の後で見た3人、口笛のような音、熱波、"2本の足"、ヘッドライトと計器板灯が消えたことやフィアットが路傍に投げ出されたことなどがあるのだ。 友人たちのデッチ上げという説は、どうも理屈に合わないように思う。

第2の可能性

4人の青年たち自身が考え出したつくり話という考え方である。しかし、それなら何のために? こういった種類の話に人々がどんな反応を見せるかはもう常識だろう。

その上、4人の演じた役割の割当という問題もある。英雄、おくびょう者といくじなし、それに、恐怖のあまり前後を忘れた男(彼にはまだ会っていないが)の4つの役割である。そのうちの3つはあまりカツコよいものではないから、引き受ける人を見つけるのがむつかしいくらいである。正直に言って、この物語は4人が考え出したのだとする説も私は信じない。証言には強い誠実さが感じられるし、真実だという強い印象を与えられるのである。

むしろ、4人はそれぞれの本当の性格にしたがって行動したのだといっていいだろう。その夜4人は、自分の本性をハッキリあらわしてしまったのである。

いずれにせよ、前述の2つの説のどちらかが正しいとすれば、そのうちにわかることである。なぜなら、このようにこみいった話の場合、関係者のだれかがいつかは必ず尻尾を出すものだからだ。

最後に私たち自身が行った実地検証の結果を申し上げておく。足跡はなかった。しかし、最近割れたものと思われる小石をたくさん発見した。残留磁気はない。私たちは現場の赤外線写真を撮影した。

(終わり)

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