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  ホワイトサンズUFO搭乗事件 第2話 ダニエル・フライ

UFO Contactee No.139 より転載 久保田八郎訳

前頁の事柄が心中に浮かんでいたあいだに、ふと自分が無意識に接近していたことに気づいた。私は英雄ではないし、今でもただの人間なのだ。全本能的に私は自分と、この未知の物体間の距離をできるだけ大きく保つのだぞと叫んでいた。

信じられないほどに滑らかな表面

ところが具合の悪いことに私はいつもひどい好奇心にかられてきた人間だったし、その好奇心の対象が科学的な性質のもので、特に重要な発達をとげた物であるときには、その好奇心は狂気じみたものとなって、あらゆる理性を吹き飛ばしてしまうのである。 私は物体から6〜70センチ以内に接近して、ゆっくりと周囲を歩き始めた。それは空中に見られたとおりの球体で、頂上と底部がかなり平たくて、高さは約4メートル80センチ、横の長さは約9メートル、縁の高さが地上約2メートル10センチある。

垂直軸から45度以内の角度で下から見ると、灰皿の形のように湾曲しているが、実際はソース皿の上にスープ皿を逆さに重ねたような形である。

最初空中に見えたときに現われていた濃紺色はもう消えていた。ただの磨かれた銀色の金属の表面の状態であり、それにごくかすかな紫の玉虫色を帯びているように思われる。

物体の周囲を7周したが、入口や継ぎ目などは見当たらない。内部に人がいるとすれば頂上か底部から出入りするにちがいない。

状況を調べるために私は立ち止まった。これからどうすればよいか。基地へ帰って物体の出現を報告するか。

最初はそうするのが筋道にかなっているように思われたが、別な考えが起こってきた。基地へ帰って上司をみつけて一緒に引き返すには少なくとも50分近くはかかるだろう。そのうちに物体が逃げてしまったらどうすればよいか。ぺしゃんこになった草むらが証拠として残るだけだ。そんなことで誰が信じてくれるだろう。誰かが信じてくれたとしても認めてくれる人はいないだろう。空中を飛ぶ不可解な物体の目撃をうっかり洩らしたばかりに噸笑をあびせられた例を私は読んでよく知っている。物体が着陸するのを見て、手で触れるほどに接近したのに、ぺしゃんこになった草むら以外に証拠がないということになれば、目撃者の運命はいわずと知れた結果になる。

こう考えて、ふと気づいた。数分間、物体に触れるほどに接近していながら、実はまだ手で触れていなかったのだ。たぶん触感によって物体が作られた材料のことで何かがわかるかもしれない。とにかくその温度はわかるはずだ。

どこからともなく響く声に驚く

私は進み出て、滑らかな金属に指の先をこわごわとあててみた。「船体にさわらないほうがいいよ。まだ熱いんだから!」 

この声が突然あたりの静けさを破るまで自分が緊張しきっていたことに気づかなかった私は数フィート飛びのいて低い草むらの中に飛び込み、砂の中に全身を伸ばして腹ばいになった。

くすくすと笑うような声を聞いたが、その声は少しおだやかな調子でまたも流れてきた。「落ち着きなさい。あなたは友達なのです」 私の不格好な姿勢の恥ずかしさと、その声のおだやかな調子と親しみのある言葉などによって、それまでの恐怖心はすっかりなくなって少々腹がたってきた。

起き上がって服を手ではたき、髪の毛の中に入り込んでいた草を力まかせに引き抜いた。

「もっと小さな声で言ってくれてもよさそうなものだ。そんな調子で私を吹き飛ばす必要はないじゃありませんか。腰を抜かしましたよ」と私は不平を言った。

「吹き飛ばす?」と声がためらうように言って「ああそうか、あなたは警告の声が大きすぎたというんですね。すまない、仲良しクン。だがあなたはもう少しで死ぬところでしたよ。ゆっり調節しているひまがなかったんです」

「船体がひどく放射能を帯びているというのですか? そうだとすれば私はまだ近寄りすぎていることになりますね?」と私はたずねた。

「放射能は帯びていませんよ。私が熱いと言ったのは、あなた方の言葉で状態を説明するのに、これ以上うまい言葉が見当たらないからです。この船体はあらゆる物質に反発するフォースフィールドを帯びているんです。このフィールドは分子間の距離では非常に強力ですが、その距離の7乗に逆比例して弱くなるから、船体の表面から数ミクロンのところでは問題とはなりません。

▲ホワイトサンズロケット実験場近辺図。
▲ホワイトサンズロケット実験場近辺図。

あなたは表面がひどく滑らかですべすべしているのに気づいたでしょう。これはあなたの手のひらが実際には金属に触れていないで、フィールドの反発力によって表面からほんのわずか離れていたためです。われわれは船体が着陸するときに傷がつかないように、この保護フィールドを用いているんです。またこれは大気圏内を高速で飛ぶ必要があるときに、空気の摩擦を極端に減じることにもなるんです」

「しかし、なぜこれが私を殺すことになるんですか? 私は船体に触れて、手のひらが少しどリビリするのを感じただけだが、私の言葉について、しゃれたことを答えたのは、どういう意味なんですか。あなたがアメリカ人でなかったら、私は耳をかたむけなかったところです」

「あなたの最初の質問ですがね」と声は落ち着いて答えた。「すぐにあなたを殺すという意味ではないんです。実際は数ヶ月かかるでしょう。だがそれは"すぐに"と言うのと同じくらいに確かなことなんです。 最もうまく説明すると、このフフォースフィールドに人間の皮膚をさらすと、血液中にいわゆる抗毒素が生じます。われわれにもまだよくわからない理由によって、この抗毒素が肝臓に吸収されて、そのために肝臓がすごく肥大して充血します。皮膚が一分間かそれ以上もフォースフィールドにさらされた場合は確実に死にます。

あなたの場合は大変な危険になるほどにはさらされなかったと思います。ただしあなたは、いずれ何かの影響を確実に感じるでしょう。もちろん、あなたの体の生理的な機能がわれわれの体と同じだと考えてのことです。われわれの体もあなたのからだも同じだと信ずべき理由がいろいろあるんですがね。

あなたの2番目の質問について言えば、私はアメリカ人ではありません。ただし私の現在の任務によってアメリカ人になる必要があるんです。あなたが私をアメリカ人の一人だと見たことで、英語をおぼえるために過去2年間ついやしてきた努力の甲斐があったというものです。実際のところ私はまだあなたの惑星に足を着けていないんです。地球の大気や重力に順応して生活に慣れるまでには少なくともまだ4年はかかるでしょう」

なぜ地球へ来たか

長時間のような気がしたが、おそらく数秒間だろう。この言葉の完全な意味を理解しようと私はだまって立っていたが、ついにゆっくりと発言した。

「私が自分の目でこの物体がやってきて着陸するのを見なかったとしたら、(おまえは沢山の空想科学小説を読んだバカだ)と私は言ったかもしれませんよ。だが実際は見たんだから、ほとんどすべての可能性を認めようとしているんです。おまけに、私がここにいたことと、あなたの(船体の)着陸を見たこととは全くの偶然なんだから、私が信じようと信じまいとあなたにはなんの関係もないことですよ」

「とんでもない」と(異星人の) 声は答えた。

「あなたがここでいろいろな事実をよく知って、その結果自分自身の意見を持つ機会を与えられたことは、我々にとって重要なことなんです。ここへ来た主な目的の一つは、地球人の順応性、特に彼らの習慣的な考え方にとって全く未知な概念に心を急速に穏やかに順応させる能力の度合いを知ることにあるんです。むかし我々の祖先が行なった地球探検はこの点で完全な失敗に終わったんです。今度はどうやら受容的な人を発見できそうだから、我々は地球人の進歩に何かの役に立ちそうですね。あなたの場合は、少なくとも今までのところは、あなたの振る舞いが我々の最上の見込みを上回ったんですよ」

私は言った。

「あなたがたの人種は、それがどんな種類の人種であるにしても、我々地球人は少なくとも共通点を一つ持っていることがわかりますよ。つまり"ひやかし"がユーモアの基本的なかたちだということだ。だが、あなたはそんなふうにして私を悩ますことは出来ませんよ。私は"ひやかし"の大家たちにからかわれてきたんですからね。

物体が最初に目についてから私がやったことはすべて間違っていたことは認めますよ。だいいちに、私に分別があるならば、じっと待って物体の下でぺしゃんこにされるかわりに、あなたが来るのを見たとたんに、いち早くここから逃げ出したところだ。ところがあなたが着陸したときに、私は逃げたり、少なくともかなり安全な距離を保ってじっと立っているかわりに、物体のまわりをうろつく必要があったんです。そしてあなたの警告の声がスピカーか何か知らないが、そこから流れ出たとき、私は恐れたウサギみたいに飛びのいて、自分でもはっきりわかるほどにぶざまな格好で砂の中にはいつくばったんだ。

最後に言っておきたいことは、これも大切なことだが、私があなたの言葉を信じていると自分で思っているらしい。前にも言ったように、私はあなたの言葉が真実味をおびていると考える余裕はあるんですが、大ホラらしいと思う余裕もあるんですよ」

地球の科学はゆがめられた

すると相手の声が聞こえた。

「たしか、あなた方(地球人)のあいだには『自衛こそ自然の基本的法則である』という諺があったはずです。知識欲が動物本能に打ち勝つこともあるというのを見ることができたのは頼もしいね。あなたに警告したとき、あなたの反応は自分で思うかもしれないような恐怖というものではなかった。純粋な恐怖の反応なら、少なくとも一瞬あなたの体が凍りついて動けなくなるはずだ。だが、あなたは敏捷に、しかも適切な態度で行動した。あなたがためらったという事実は、船体の詳細に関する注意力の集中がきわめて大きかったために、はっきりした退路を確保しなかったことを示すにすぎないんです。

ここで私の話を信じてくれというのではありませんよ。それは我々にとって最も好ましくないことです。いま必要なのは、証拠を=あらゆる既成概念に反するような証拠であっても=受け入れるだけの受容的な精神の持ち主と、その証拠を即座に吸収して筋道の通った結論に達するような精神の持ち主です。体験したためにあなたが全く特殊な立場にあるにもかかわらず、あなたが静かに私の声を聞いて筋道の通った回答をしているという事実は、あなたの精神が我々の見つけようとしている種類の精神であるという最上の証拠なのです」

私は言った。

「お世辞を有難う。そのお世辞にあたいする人間ならよいのですがね。しかし、あなたの言葉は地球人の科学的進歩をうながす何かの計画に私を利用することをほのめかしていた。なぜ私を(コンタクトの相手として)選んだのですか? あなたが着陸した場所にまったく偶然に私が居合わせただけのことではありませんか。この基地には科学的知識で私よりもはるかに進歩した人が沢山いるから、そのなかの誰にでも簡単にコンタクトできるはずですがね」

「あなたは全くの偶然にここに居合わせたと言うが、それは我々をひどく過小評価した言い草です。多くの地球人の脳は想念を容易に送信できるが、あなたは受信もできるごく少数の脳の持ち主の一人なのです。自分の宿舎へ帰って調べてみれば、今夜冷房装置が故障していなかったことがわかるはずです。

だが話を元へもどしましょう。我々はあなたの国(アメリカ)の多くの一流科学者の精神を調べてみたんです。そして大抵の場合、我々は科学者たちの精神が既成概念という鋳型で固められていることを知りました。彼らは遠くまで進みすぎているんです。その結果、遠い道のりを後戻りしなければなりません。私の言う意味を譬えによってもっとやさしく言ってみましょう。

科学知識を求める人間は木に登るアリのようなものです。自分では上方へ動いていることがわかっていても、その視野は狭すぎて幹全体を見通せない。そのために幹を離れていることに気づかないで下方の枝の方へ移動するかもしれません。いっときは万事がうまゆきます。自分ではまだ上方へ登れるし、進歩という果実を少し摘み取ることもできます。だがその枝が急に無数の小枝に分かれていろいろな方向に葉が散らばっているために本人はまごつき始めます。

第3話へ続く

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