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  ホワイトサンズUFO搭乗事件 第9話 ダニエル・フライ

UFO Contactee No.144より転載 久保田八郎訳

(前回までのあらすじ)1950年7月4日の夜、米ニューメキシコ州ホワイトサンズのロケット実験場で技師として活動していたダニエル・フライは、暑さに耐えかねて砂漠地帯へ散歩に出かけたとき、突然空中から不思議な円形の物体ガ眼前に降下して着陸した。驚いている彼の耳にどこからともなく人間の声が響いて、地球の科学の誤りその他について英語で説明し始めた。フライは更然として聞くのみ。この物体は別な太陽系の惑星から釆た宇宙船らしい。やがて彼はそれに乗ることをすすめられて、信じられないような超高速でニューヨークを目指して無音で飛行したのである。この物語は実際に発生した驚異的事件として世界のUFO研究界にショックを与えた。この記事は生前に彼から翻訳権を与えられた訳者による連載の第五回目である。 以下はフライを指導した異星人アランのメッセージの前号からの続きで、地球社会の未来に対する予言と今後の地球人の心がまえや対策等に言及している。

異常な強風は地球の人々を苦しめるもう一つの問題です。ハリケーンとして知られる旋回する嵐は大洋上で形成され海岸に向かって動きます。風の力は巨大な波を起こし、非常な速度と抗しきれない衝撃力をもって海岸に運んで来ます。

惑星上に住む人々を常に脅かす多の災害をみれば、ほとんどの技術力をもった人類がより単純で、安全な生活ができる自分たちの人工惑星を建設する理由を理解することは困難ではありません。彼らの一部はもちろん自分たちの惑星上の条件とは無関係に、彼ら自身の宇宙の住み家を建設するでしょう。それは人が首尾良く発達するために、制限されない環境を求め、遅れか早かれ一個の小さな惑星上の制限にあきるだろうからです。

私たちの歴史に記録されている最初の永久的な宇宙の住み家は五万世代前にこの銀河系の中心近くにある古い惑星のいくつかの住人によって創られました。それらは性能の制限された、近接した二つの恒星の間の空間を数世代もかかって渡る比較的遅く動く宇宙船でした。新しい恒星が惑星系をもっていることが発見されると、次の世代か二つの世代がその惑星を探査するのに奉仕し、それから次の恒星へと移動したようです。

宇宙船を建造する能力に達したどの惑星の人類も、過ぎていく世代の内により多くの宇宙船を建造したし、各々の世代において、他の惑星上のより多くの人類が宇宙船を建造する能力を獲得しました。宇宙飛行が始まって最初の30世代の間に、各々の世代で、宇宙船の総数は少なくとも10倍になったと見積もられています。しかしながら、新しい技術が古い宇宙船をスクラップにしたり再建造することを促進したために増加率は次第に小さくなりました。現在の最上の見積もりでは、小型輸送船を含まないで永久宇宙船の総数は10の33乗ほどといわれています。各々の宇宙船は今やその場所には関係なく、近接している他のいくつかの宇宙船と電磁気的通信をすることができ、情報や発見のほとんどが連邦のデータ船の一つによって集められ記録されるまで、船から船へ中継されています。社会の発達において、人口が危険点をまだ超えていない惑星のために個別のデータバンクが置かれています。これは危険な時期に援助を必要とするならば、最も近くにいる惑星援助船によってすぐに援助が与えられるためです。

なぜアランが選ばれたのか

あなたがこの援助代表として、この特別な任務に選ばれた理由について、あなたの興味を満足させてあげるときが来たようです。その成功が確信されているとは言いがたいので、任務というよりは経験と言うべきでしょう。この場合、この行動をする人は、この惑星上に住居を定めなければなりませんので、その人はその体がはなはだ高価な変身をすることなく、また非常に長い待機時間もなく惑星の環境に適応できることが要求されます。うまく適応するために必要な最少限の生理学的な要求は計算され、表に作られました。

その後、一般奉仕職員の記録をスキャニングした結果は、あなたの肉体的特徴が、他の奉仕グループ員のものよりも、この要求により多く合致することを示していました。おそらく、そのような原始的人類に生理学的に似ているという理由で選ばれることはうれしいことではないでしょうが、それがすべてではありません。あなたの系図を調べると、あなたの遠い祖先の一部がこの惑星に由来していることが発見されました。それらの祖先は、彼らの子孫(地球人)がふたたび開始しようと用意しているのに非常によく似た核による破滅によって、人類が居住するのに全く適さないようにしたのち、千世代くらい前にこの惑星を放棄したのでした。千世代というのは、かなりの時間的なギャップになりますが、生理学的特徴はほとんど完全に存続しており、あなたがここに住むことができるようにするための肉体的調整が比較的少なくてすむということがわかりました。しかし、この惑星の人間として受け入れられるためには、もっと大きな問題があるでしょう。

地球で生活するために

私たちが宇宙船内で使用している重力の二倍に近い重力にあなたの身体を慣らすことが必要でしょう。あなたの靭帯は強化されなければなりません。私たちが宇宙船内大気から得ている、惑星の大気には存在しない微量な要素をあなたの身体に供給する方法を見つけなければなりません。惑星に多く存在し、その一部は命とりになりうる細菌に対して免疫にするための広範なプログラムにあなたは耐えなければなりません。このプログラムを全部消化するには相当長い時間を要しますが、この時間は地球の言葉を学び、練習することと惑星の人々の歴史と習慣を学ぶことに使います。

少なくとも一人の地球人と直接にしかも連続的にコンタクトすることが必要です。一方、私たちは語られたり、書かれたりした言語の記録を沢山もっています。これらは、長い期間にわたって間欠的に記録されたものです。イディオムとアクセントは時間がたつと相当に変わります。あなたが一般市民として受け入れられるとしたならば、あなたの言葉は現在のものでなくてはならず、数世代も前のものであってはなりません。あなたが惑星にとって異人種であることが発見されたとしたら、そこでのあなたの立場を完全に保持できなくなり、すべての任務は失敗に終わります。

惑星上をあちこち旅行するとしたら身分証明書が必要となります。また、お金として知られている交換のための媒体の供給も必要となります。ただ一人の能力のある地球人の協力者が、これらのものをあなたのために用意してくれるでしょう。

地球人の一人との直接コンタクトの確立は、私たちのすべての問題の中で最も困難なものではないにしても、最もデリケートな問題でしょう。選ばれる人は私たちの目的を理解するのに充分な知能をもち、外部からの圧力にかまわず、彼自身の仲間を守る充分な自信をもっていなければなりません。また、それ以上に、自分の習慣や衝動や以前の信仰をさしはさまずに私たちの提案を考えることができなければなりません。これは地球の人類にはほとんど発見されないだろうと私が心配している特徴の組み合わせです。その上、コンタクトの手はずが整う前に選ばれた個人が必要な能力をもっていることを確かめなければなりません」

▲アリゾナ州のコマ型UFO。
▲アリゾナ州のコマ型UFO。1972年11月11日、米アリゾナ州メサでリー・エルダー氏が屋内のテレビでフットボールの試合を観ていたところ、庭で遊んでいた9歳と10歳の坊や2人が「空飛ぶ円盤が飛んでいるので見にきて!」と叫んだ。35mmカメラをつかんで外へ飛び出たエルダー氏は、この異様な物体を4枚連続撮影した。この写真はそのうちの1枚。

若い女性の説明を連層に図示していたスクリーンは、彼女が小さ-ため息をついて向き直ったときに消えた。

「この課程は、これで充分です」と彼女は言った。

「食事と休みの時間です。あなたの休み時間は、私たちが思うままに用いる言葉とその他の情報の知識が、あなたの記憶細胞に直接に伝達されるように一般の休み時間より長くしてあります。それにそれとは別に、必要ではあるけれど退屈で時間をくう勉強の一部を消し去るためでもあります。私たちはあなたの記憶に、これらのデータを軽く印象づけるでしょう。そのいくつかは消えてもいいし、地球でのコンタクトが確立したときには忘れなければならないかもしれないからです。しかしながら、地球でのコンタクトで首尾よく話し合うようになったとしたら、人類の言葉、歴史そして習慣の知識を最少限はもっていなければなりません。

ベラという名の女性

あなたは地球にとどまる間、アランという名を使用します。それは地球ではむしろ一般的な名ですし、あなた自身の名に非常によく似ているからです。あなたが私と連絡する機会があれば、私はベラという名で答えましょう。この名も地球ではめずらしくなく、ぬすみ聞かれたとしても何の注意も引かないでしょう」

二人は立ち上がって、食事室に向かった。そこで彼らは、船内の自動合成機によって用意された心をそそるいろいろの食物をつつましく食べた。

輸送宇宙船は種々の娯楽や骨休みの道具も提供しているとはいえ、これは仕事の旅であった。アランと彼の連れは食事の後すぐに寝室へ行った。最新式の宇宙船なので、それは宇宙船の中央部に位置し、寝る人が休んでいる間、ほとんど空中に浮くほどに重力が小さいのである。ここで、若い女性は自分の場所を探す前に彼がデータ送信器のヘッドピースを調整するのを手伝った。

宇宙船のやわらかい低い音は人の心をやわらげる音質であり、アランは自分を待っているであろう未来のことについて、ほんの少しの間だけ考えた後、ほとんどすぐに眠りにおちた。

地球の時間にして約10時間位ののち、アランはデータ送信器からの刺激で眼を覚まされた。彼は立ち上がり、注意深くデータ送信器のヘッドピースをはずして清浄室 (クレンジングルーム)に入った。(長距離宇宙輸送に使用されるすべての物質は早くそして完全に再使用する必要があり、入浴のための水の浪費は禁じられていた。しかし、身体を清め、爽快にするための気持ちのよい効果的な方法が用意されており、大きな人工惑星では完全な入浴設備が常時使用できる) 

食事室で、少しではあるが満足できる食事をとった後で、アランはあの小さな会議室にもどった。彼の連れであり指導者であるベラは少し前に着いており、彼の地球での任務のための用意を続ける準備をしていた。

「私たちは目的施(地球)に非常に接近しています。適切なコンタクトの調査が始まる前に、予備的な討議をする時間は沢山ありません。もちろん、コンタクトの後、あなたが惑星に第一歩を踏みだすまでには充分な時間があります。 あなたが休んでいる間に、地球の主要な言語の一つの一般的知識はあなたに与えられています。あなたが地球人と話し合いを試みる前に実際に使用してみるために、今からその言葉を使い始めなければなりません。

私たちは惑星に対して位置を固定するでしょう。地球の表面から1448キロメートルの所です。」 

「しかし」とアランがさえぎった。

「それだけ多の観測や着陸それに何回かの直接面と向かったコンタクトがあったとしたならば、地球の人々またはより進歩した人類は、この繰り返し行なわれたモニタリングをよく知っており、急激に進歩した彼らの技術によって、我々が接近していることを察知することができる計測器を持っているにちがいないし、彼らが依然として、理由よりも衝動によって動機づけられるのだとしたら、我々が固定した位置を保つことはむしろ危険ではないのですか? 我々を歓迎するものは核兵器の弾幕であるかもしれない!」

第10話へ続く

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