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  ホワイトサンズUFO搭乗事件 第10話 ダニエル・フライ

UFO Contactee No.144より転載 久保田八郎訳

「そう」ベラは答えた。「人類は肉眼の範囲を超えた所にある接近しつつある物体を検知する計測器を開発しつつあることは事実です。しかし、私たちの選定した距離で、私たちの接近を検知するのに充分な感度をもっているとは信じられません。

私たちが思い違いしているかもしれませんが、仮に私たちの宇宙船が観測され、いくつかの宇宙観測グループによって報告されたとしても、何かの行動が起こされることは十中八九ないのです。それは私たちにとっては信じ難いことですが、ほとんどの地球人は自分たちの惑星上に存在するもの以外のどんな生命体をも知らないのが事実です。彼らの科学者たちは、しばしば地球外生命の可能性について推測していますが、彼らのエゴがその存在のほとんど間違いのない証拠でも認めないようにしているのも事実です。データ収集用の道具は見つけられ、百世代以上もの長い間にそれが有頂天になって報告はされており、小型宇宙船は地球の人々の何人かがいる前で少なくとも、12回以上も着陸しているにもかかわらず、それを見たという比較的少ない報告は依然として無視され、"地球上の現象″ "ハリケーン″として説明され、何も見なかった大半の人々によって明らかな間違いだとされてしまいます。私たちのサンプリングやモニタリング用の道具を不幸にも観測し、しかも、その事実をかるがるしく報告したものはだれもが軽蔑と哀れみの対象にほとんど自動的になってしまうのです。それ以前の彼の地位がどんなものであろうとも、彼の信用も道徳も、さらに正気さえも疑われるのです。

▲フロリダ州のUFO。
▲フロリダ州のUFO。1994年9月24日、米フロリダ州ガルフブリーズで午後6時15分、雲間に出現した黒い物体を1人の男性が4枚撮影。物体はさらに降下したので続けて8枚撮影した。撮影者の氏名は伏せてある。画像提供者はマイク・ホーキンズ氏。

もちろん、何人かの科学者や思想家たちは、自分たちの知識レベルによって彼らに統計的な生命の可能性と地球外のより高い技術をもった人類の存在の可能性をも受け入れさせられているものもありますが、この人たちは、仮に他の人類が存在したとしても、いつかの離れた恒星の周囲を回る軌道に乗っている惑星にだけ生きており、非常に遠いために地球を訪問することなどは決してできないと信じて自分のエゴを縛りつけているのです。

彼らの天文学者たちは銀河系の中心部にある恒星は自分たちの太陽系よりはるかに古いものであることを知っていますが、自分たちの惑星上で今、開発されているどんな技術能力もが他の惑星の人類によって少なくとも数百万年前に達成され、それ以来ずっと進歩・改良を続けられているという必然的な事実を把握していないようです。地球の生物学者たちは、いくつかのアミノ酸の分子や他の生命の結合体を見つけようという希望をもって隕石を調べながら実験室に閉じこもって毎日を過ごしています。一方、私たちは彼らの惑星から1600キロメートルも離れた宇宙船から、彼らのしていることを彼らの肩越しに見ています。望めば、彼らの顕微鏡をのぞき、彼らの達している結論を彼らの心から読みとることもできましょう。彼らは観察者であるかわりに自分たちが観察の対象であるという可能性を考えることさえも否定しているのです。

月ではチタニウムが採掘されている

過去数千世代の間に、部分的には制御されたものの、人口増加によって生命の発達にふさわしくない状態になった惑星のほとんどは、宇宙船建設のための新しい物質を得るために分解され恒星間の崩壊物質の大半が集められこの目的に使われるほどに、付加的な人工の惑星の要求は大きくなってきています。このプロセス(人工増加―人口惑星建設) は銀河の中心部分に始まっているので、銀河の翼の部分の開発は比較的少ないものです。しかし、地球の月でさえも小規模ですが時々チタニウムの採掘をされています。チタニウムは月にかなり発見されており、他の元素からは合成することは困難なものです。チタニウムの分離プロセスの間に放射される強烈な光は地球の天文学者たちに観測され報告されています。彼らはその光を火山活動″か隕石の衝撃″によるものと説明しています この歴史の多くはあなたがすでに知っているものですが、それを繰り返すことは、あなたが地球上に住居をかまえるときに発見する信念と態度を理解するのを助けるかもしれません。

空中を飛ぶことは宇宙への第一歩

先ほど、明らかにしましたように、間もなく私たちは固定点に到着するでしょう。私たちは惑星と人々を直接に近々と調査し始めることができます。その間に、データ投写機が鳥の真似をするために地球人が努力した物のいつかも見せてくれるでしょう。最初の試みのほとんどは筋肉の力を使用することによって飛ぶという粗野な試みでした。もちろん、どれ一つとして成功するものはなく、ただ笑いものになりました。苦労して作った製品にかけた夢が絶たれた人たちの生活においては、笑うどこらか悲劇であったでしょう。失敗に失敗を重ねても、人は飛ぶことへの決心をあきらめなかったばかりか、人は"鳥は人間に勝ってはおらず、鳥ができるならば自分たちにもできる″と言っていました!

このムダな試みにほとんど一世代を使いました。もちろん私たちはデータの全部をもっていません。観察も断続的で完全というにはほど遠いものでした。しかしながら、空中を飛ぶことを達成する第一歩であることを銀河連邦政府は理解し、この惑星とやっと羽根のはえたひなのような人々に相当な興味が向けられていました。

各種の初歩的なエンジンが開発され始め、その多くは飛ぶことへの努力を続けるのに使われました。不幸なことに、これらのエンジンはそれらが作り出すエネルギーに比べてあまりにも重量がありすぎました。これらの機械の大半は科学的知識の比較的少ない人たちにとって作られました。なぜなら、知識を沢山もっている人たちは非常に困難なものであると理解し、可能性は決してないと確信していたからでした。それで、そのような人々はこの試みをすることに興味がありませんでした。

地球人がいまだに飛ぶことができなかったとしても、少なくとも自分を支えるための軽いガスを入れた大きな風船を使用して空中に浮くことはできたでしょう。それは一時的な妥協としては最もよいばかりでなく、一世代以上の長い時間の後で、空気よりも重い道具によって飛ぶことに成功したでしょう。非常な努力と工夫が地球の表面から逃れる方法にささげられました。それは非常に微妙なもので危険をはらんだ技術でした。ガス風船、操縦室、客室、必要ならばモーター 、乗員、それにすべての機器の全体はそれらが排除する空気よりも重くはできません。最初の頃は、ガスの中で一番軽くてすぐ手に入るただ一つのガスであった水素ガスが使用されました。空気中の酸素と混合されたときに、水素ガスは最も燃えやすい組み合わせになり、風船のほんの少しの裂け目でもこの混合ガス状態を引き起こしました。彼らが"飛行船"と呼んだもののほとんどは起こるべくして、強風によって部分的に裂けたり、爆発したり、燃えたりしました。どの場合にも常にかなりの人命が失われました。数多くの一般的に悲劇的な失敗の後、しばらくの間は一つ二つの小型船が見られたとはいえ、この技術はほとんど完全に放棄されました。成功した飛行船は他のものと化合しないヘリウムを使用しています。

地球人は機械を飛ばす可能性を作り出すのに充分な単位(パウンド)重量あたりのエネルギーを出せる内燃機関を作るのに成功しました。また、この頃に上向きに反らせた翼の効果を発見しました。この組み合わせが、真に飛ぶことを可能にし"航空機″として知られているものになりました。原理の正しさは証明され、今、本当の発達が始まりました。

この間に男性も女性も飛行術の歴史を作りました。その多くはその大胆さと操縦のうまさの理由で人々のアイドルとなりましたが、大半の人々は人間が本当に鳥のように飛ぶことができることを証明したという理由でアイドルとなりました。

この頃に、銀河連邦の探査船が地球のより接近した観察を始めました。宇宙飛行の始まりが少なくともその進歩の数年間で予見できるので、空中飛行における進歩の度合いをチャートにする必要がありました。宇宙飛行の始まりはどの人類の発展においても非常に危険な時です。その時期は、もし方向を間違えた場合には人類を一掃することができるような技術レベルを達成する時期に一般的に一致しています。

多くの種類の新しい高速飛行機が設計され、建造され、試験されました。いくつかは成功し、他のものは危険な状態で失敗に終わりました。いくつかはパイロットに名声と幸運を与えることとなりましたが、他の場合は死をもたらしただけでした。それにもかかわらず、より速く、高くあるいはより遠くに飛ぶ航空機やかつての飛行機の換価荷重以上のものを運ぶ航空機を建造するための努力はずっと続けられました。地球人の社会での極端な競争的性質がこの努力へ拍車をかけました。いろいろな飛行機が生まれました。いくつかは乗客を運び、いくつかは貨物を輸送し、いくつかは、かれらが隣人を殺すことができる爆弾を輸送するものでした。この時地球人が惑星を包む大気内を飛ぶことに満足しなくなるときだということは明白でした。飛ぶことを学んでしまったので、今や、人は新しy得た能力を実行するためのもっと大きな機関を要求しました。

今まで、人は重力コントロールの可能性を何も知りませんでした。そこで、ロケット工学として知られている反動推進の形に眼を向け始めました。それは宇宙に飛び出す唯一の実際的で達成の可能性があるものと考えました。最初は飛ぶ試みをしては沢山の失敗をし、成功はわずかなものでした。成功からはもちろん失敗からも学び頑強に固執していました。

ロケット狂信主義者たちの計画と努力に対して送られた指導的立場の科学者たちによる嘲笑は、技術のポテンシャルが一般的見解の中に現われ始めたときに次第に静まりました。 地球の場合には、通例として、最初の大きなロケットは破壊の手段として使用され、今でもそれらの多くは特に破壊の目的のために設計されています。現在のロケットは、それが運ぶように設計された核弾頭をつけられ、惑星の全人口をすばやく殺すことができるであろう兵器システムを作っています。私たちのもっている証拠のすべてが、何らかの介入がなければこの悲劇的な出来事はすぐにでもやってくることを示しています。

しかしながら、地球人の宇宙旅行への決意は弱められてはいませんし、私たちの研究グループの報告は彼らがすぐにもそれを始めるだろうと予見しています」

アランの連れが語り終わったとき、ビデオスクリーンの下にある小さな青いライトがリズミカルに点滅し始めた。

「私たちの操縦者が、固定点に着いたことを合図しています。私たちは地球でのコンタクトのための調査を始めることができます」 と彼女が言った。

目的の位置に到着

最初の目的地として、"大アメリカ砂漠″として知られている合衆国の人口密度の低い部分を選びました。私たちの観察を始めるには奇妙な場所と思えるかもしれませんが、この部分は、新しい多くの宇宙へ向けての技術がテストされている"実験場″を含んでいます。彼らの努力が依然として初歩的なものであり、あまり成功するとは思えないものでも、私たちが要求する援助を与えてくれることができる人を探せる可能性が最もあるのはここの場所にいる人々の中です。

地球でのコンタクトマンを選定するのに助力してくれる二人の精神分析の専門家が一緒に乗っています。私たちがホワイトサンズ実験場として知られているロケット試験場の上の固定点に達すると同時に、そこに働いている人たちを探し、次から次へと彼らの心に同調することを始めて一致する者を発見したならば、完全な精神分析がなされます。私たちが最終報告書を提出するときに、社会援助部の倫理委貞会によって、多分、個人の秘密の不当な侵害について譴責(けんせき)されるでしょう。しかし、私はそれ以外に私たちを援助する意志と能力の両方をもっている人を発見する確実な方法を知りません。分析家が彼らの予備調査をしている間に、私たちは地球人類のより危険な問題のいくつかについて、それらを解決するために援助できそうな方法について討議しましょう。

生きるべきか死ぬべきか

彼らの指導者たちの多くが、結局は常に失敗している戦争行為が、国あるいは人種の政略の有効な手段であると考えているという事実によって、現在では、真の文明への前進のすべてが妨害されています。

多数の人々、時として国家あるいは人種全体が他のものと本質的に違っている基本的な仮定や信仰を採用するように導かれるときに、連続的に増加する摩擦がグループの間に発生しがちです。彼らは対立する概念の相対的な効果を調べるのに充分な、または容認された方法 (彼らが物理科学で行なっているような方法) をもっていませんので、連続的な摩擦によって生じた衝動の熱が、しばしばそうであるように、開戦へと導-のかもしれません。

衝突するイデオロギーのお互いのメリットを決定できないという事実の中に、戦争行為の悲劇と無益さが存在しています。そして、関係したものの相対的な戦闘能力を破壊するだけなのです!

第11話へ続く

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