ホーム ライブラリー レターズ ピクチャーズ ufo 掲示板 お問い合わせ リンク

GA Site -UFO Contactee-

articles

過去更新記事

 ├ 2009年度
 ├ 2008年度
 ├ 2007年度
 ├ 2006年度
 ├ 2005年度
 ├ 2004年度
 ├ 2003年度

最新更新記事

サイト内検索



GA Site内を

新アダムスキー全集

 ├ 写 真
中央アート出版社
TEL : 03-3561-7017
E-mail :info@chuoart.co.jp
  神々の戦車 エーリッヒ・フォン・デニケン

第10章(完) 地球人の宇宙開発の意義 UFOと宇宙 No.5 より 
 

"宇宙からの物質"現象と関連したナゾの最大のスペクタクルは、シベリアの密林で一九〇八年七月三十日の朝七時十七分に展開した。

シベリアの不思議な大爆発は異星宇宙船の激突か

一個の火球が空を飛んで大草原の中に消えたのである。シベリア横断鉄道の乗客たちは南から北へ飛んだ輝く物体を目撃した。雷鳴のような轟音が列車をゆれ動かし、続いて大爆発が起こった。そして世界の地震観測所のほとんどが感知できる振動を記録したのである。

震源地から五百五十マイルも離れたイルクーツクでは、地震計の針が一時間近くもゆれたし、その爆発音は半径六百二十一マイルにわたって聞こえた。トナカイの大群は全滅し、遊牧人たちは天幕ごと空中に吹きとばされたのである。

▲爆発中心より数キロメートルの位置。樹木が同じ方向に倒れている。1930年代に撮影。

一九二一年になって初めてクーリク教授が目撃者の証言を集め始めて、ついにこの密林地帯へ学術探険隊を派遣する費用を集めることに成功したのである。

この探険隊が一九二七年に石だらけのツングースカへ到着したとき、彼らは巨大なイン石であけられた大穴を発見するものとばかり考えていた。しかしその考えは完全に間違っていたのである。爆心地から三十七マイルも離れた位置で最初に見た樹木には梢がないのだ。

臨界点へ近づくにつれてますますあたりは荒涼となってくる。樹木はまるはだかの電柱のように立っている。中心地付近では最大の巨木でも外側の方へむかってへし折られていた。やっと一行はすさまじい火災の跡を発見した。更に北へ進んだ探検隊は、ものすごい爆発があったにちがいないと思うようになった。沼地の中にさまざまの穴があるのを見てイン石の衝突ではないかと考えて、地面を掘ってみたが、何も発見されなかった。鉄の一かけら、ニッケルの一かたまりはおろか、石ころ一つもないのだ。

二年後には大型のドリルや改良された装置を用いて調査が続けられた。彼らは百十八フィートの深さまで掘ったが、イン石らしい物質の一かけら出てこなかった。

一九六一年と六三年には、ソ連科学アカデミ−によって更に二組の探険隊がツングースカへ送られた。六三年の探険隊長は地球物理学者のソロトフである。そして、最新式の科学装置をそなえたこの科学者団が達した結論は「シベリアのツングースカ大爆発"であったにちがいない」 であった。

爆発の程度は強度に関するデータがわかれば決定できる。ツングースカ爆発のデータの一つは、放射された莫大な転射エネルギーである。密林では爆心地から十一マイルも離れた樹木がこの光にさらされて、爆発の瞬間に燃えだしたのである。しかし生えている木が燃えるには、転射エネルギーの量が一平方センチにつき七十ないし百カロリーに達しなければならない。ところがこの大爆発の閃光はあまりに強烈であったため、爆心地から百二十四マイルの距離で二次シャドーを投じ続けたのである!

これらの測定から科学者たちは爆発の転射エネルギーが2.8×10の23乗エルグであったろうと計算した。(エルグというのは仕事の単位である。一グラムの重量のあるカブト虫が一センチの高さの壁をよじ登れば一エルグの仕事をしたことになる)

探険隊は八マイルの範囲にわたって、樹木の枝などが炭化しているのを発見した。この現象から彼らは突然の加熱が行なわれたと結論した。これは爆発の結果であって、山火事ではない!閃光の拡散をさえぎるものがない場所にだけこの炭化現象が見られたのだ。どうみてもこれは放射線にちがいない。これらの現象の総計を出せば、この大破壊には10の23乗エルグというエネルギーが必要となってくる。このエネルギーは十メガトンの原爆の破壌力に匹敵する。つまり100,000,000,000,000,000,000,000エルグなのである!

あらゆる調査の結果、これは核爆発であることが確証され、スイ星の激突とか大イン石の落下であるセいうような空想的な説明はしりぞけられてしまった。

この一九〇八年の核爆発についてはどのような説明があてはまるだろうか。

▲物体の飛行コース(矢印の線)

一九六四年三月にレニングラードの著名な新聞スウェスダは、次のような説を報導した。つまり白鳥座の一惑星に住む知的生物が地球と連絡しようとしているというのである。執筆者のゲンリヒ・アルトフとワレンチナ・シュラレワは、シベリアの大爆発は、インド洋のタラカトア山の大爆発の応答であるという。すなわち一八八三年のこの火山爆発によって強烈な電波が宇宙空間へ発射されたため、遠い星座の人々がこの電波を宇宙空間からの信号と誤解し、はるかに強力なレーザー光線を地球めがけて発射し、それがシベリア上空の大気圏に接したとき物質に変化したというのだ。だが私はこの説を認めない。あまりに空想的であるからだ。

同じように私はこの事件を反物質の衝突によるものとする説も受け入れるわけにもゆかない。宇宙の彼方にたとい反物質があると考えても、それがツングースカに残るわけがない。物質と反物質が衝突すればその結果相互に消滅するからだ。しかも一個の反物質がその長い道中で物質と衝突することなしに地球へ到達することはまず考えられないことである。

私はむしろこの核爆発は未知の宇宙船の動力原子炉の爆発によって起こったのではないかと考える人たちの説をとりたい。これはファンタスティックだろうか? もちろんそうだろう。だがあり得ないといえるだろうか?

ツングースカ大爆発についてはすごく多くの文献がある。ここで私は強調しておきたい一つの事実がある。タイガ(シベリアの密林)の爆心地周辺の放射能は現地でも他の場所より二倍もあるのだ。樹木やその年輪を慎重に調査したところ、放射能は一九〇八年以来目立って増加したことが確証されたのである。

この現象やその他多くの事件類については、ただ一つの正確で疑或心のない科学的証拠が出てくるまでは、理由もないのに確実性という領域内にある推測を無視する権利はだれにもないのだ。

我々は現代ほど多くの未知の物事に直面したことはない。解決可能なあらゆるナゾが解答を見出すまでは、"人間と未知の知性体″というテーマが探究の目標になり続けるであろうと私は確信するものである。

第10章(完) 久保田八郎 訳

home artcles letters pictures ufo bbs お問い合わせ link