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 大ピラミッドはアトランティスの記念碑だ! 第2話

 久保田八郎 UFOと宇宙 No.41 1978年 12月号より転載

それは第3王朝のジュセル王の階段状ピラミッドをサッカラに建設した宰相イムホテプである。

イムホテプ宰相は宇宙人だった?

この人の経歴の詳細は不明だが、わかっているのは、ジェセル王に仕えた天才的な人で、特に建築技術に卓越した才能を示したし、頭骨の切開手術まで指導したという驚くべき知識をもつ人であったということぐらいである。

▲サッカラの階段ピラミッド。

彼は死後の世界は永遠であるという思想を有し、それを堅固な石で表現しようとした。それまでの王墓はせいぜい日乾煉瓦を用いた平坦な台形のマスタバにすぎなかったけれども、彼は材料を一挙に石材に切り替えて、六層から成る階段状の大ピラミッドを王のために築造したのである。

この構築物は革命的なものであった。中央底部に30m近い竪坑を掘って王の遺体を収容する玄室を設け、その上に煉瓦状の石を積み重ねて東西121m、南北109m、高さ60mのピラミッドを建造し、その周囲の15へクタールに及ぶ敷地の周囲を高さ10mの外壁で囲み、更に神殿を設置して広大な複合聖域を造りあげたのである。

これは世界の石造建築史上、画期的なものであり、後世のプトレマイオス5世はこれを讃えてフィラエにイムホテプ神殿を造営している。(ただし現在のサッカラには、くずれかけた階段状ピラミッドと神殿の一部、外壁の一部が、静寂な砂漠の中に残っているだけである)

しかし注目すべき点は彼の思想にある。人間の生涯は一代限りではなくて永遠に輪廻を繰り返すという深遠な哲学は一種宇宙的であり、これにより後世は死者のミイラ化が習慣となった。

そして第4王朝に至って巨石を材料とする壮大なピラミッド建設の黄金期が続くことになった。いわばイムホテプは四角錐金字塔の開発者であり、人間の生命の永遠性を強調した哲学者でもあったのだ。

この不思議な人物は宇宙人ではなかったかという説を、今夏ナイル河畔の野外レストランで食事を共にしながら、早大エジプト考古学研究所の吉村作治先生から聞いたとき、筆者はハッとした。

古代エジプトの豪壮きわまりない巨石文化は、太古のアトランティス大陸の影響下にあるもので、これには異星人が介入していたのではないかと、かねてより筆者は推測していたからだ。

在エジプト17年に及び、現地で発掘指導をしておられる斯界の第一人者たる考古学者が、みずからイムホテプ異星人説を唱えられたのは興味深い。

プラトンとアトランティス

アトランティス大陸については古来研究者間で大議論が展開し、この研究書が実に2万点も出ていることは案外知られていない。

大ピラミッドの内部

周知のごとくアトランティスは、エジプトのサイスを訪れたアテネの賢人ソロソが神官から聞いたという話をプラトンが対話編『ティマイオス』と『クリティアス』の中で伝えたもので、約一万六千年の大昔、一日一夜で海中に没したという伝説の大陸。一種の理想郷で科学的にも高度に発達していたという。これは『ヘラクレスの柱(ジブラルタル)』の外側の大海中に存在したともプラトンは述べている。

これに対しては昔から種々の批判があり、プラトンを大ウソつきとする説もあるが、執政官のソロンはプラトンの母ペリクチオンの親類にあたる人で、アテネでは名政治家として市民の尊敬の的になっていた。それを実名で出したからには、おそらくソロンが語ったというのは真実だろう。問題はサイスの神官の話の信憑性と大プラトンの著作の内容にある。

これに関しても実に多種類の憶測や推論が行なわれてきた。いまここに論評者の名をあげただけでもストラボンとかプロクル、クノロゾフ、ラエルティウス、テイラー 、ピロニスティウス、ヘルミップ、プアッソン、ハルキジアスやゾヘル、カルポフ、プルタク、べッターソン、ロンジン、ポリフィリアス、ヤンブリキウス、プロクレス、クラントリウス、その他、古今の学者・研究家が続々と名を出す。

しかしこれらプラトン研究家の論争ほどむなしいものはない。それはあの大ピラミッドの建造方法に関する論議と同じほどに私たちには空虚に響くだけだ。

こうした先人たちの研究調査よりもまず重視すべきは古くから各地方に伝わるアトランティス大陸に関する神話や伝説であろう。

前6世紀のギリシャの哲学者で数学者であったピタゴラスは、ドルイド僧から学んだという伝説がある。ドルイド僧とはガリアとプリテン諸島の古代民族であるケルト人の司祭階級で、驚嘆すべき科学知識と文字とを持っていたといわれる謎の人々であるが、後にローマ人により絶滅した。

ピタゴラスの伝説が正しければ、プラトンがピタゴラス派からアトランティスの物語を聞いたとも考えられる。つまり、ドルイド僧こそアトランティス人のはるかなる後裔だったかもしれないのだ。

しかしもっと重要なのは大西洋の両岸に居住した過去の民族には、アトランティスに関する神話や伝説が多数残されていたという事実である。

特に大洪水や地殻の大変動に関する伝説が南北アメリカの原住民に根強く伝えられていた点は注目にあたいする。そして多数の神話を残したギリシャの古代民族はミノア文明と呼ばれたクレタとエーゲ海文明から模倣した点が多いという点も一考すべき価値がある。大体にギリシャの神話は遠い西の彼方に存在した島々のことに言及しているのだ。

こうした神話や伝説をあたまから無視するわけにはゆかない。詳述の余裕はないが、アトランティスが存在した場所としてはどうも地中海の線が濃厚になってくる。研究家ルッソによると、紀元前1千年代に西部イタリアにすばらしい文明を築いた謎のエトルリア民族こそアトランティス人の子孫ではないかという。

カギを握る謎のトト神

最後に見のがしてはならないものに、古代エジプトの神『トト』がある。これは科学と芸術の創造主で、文字の発明者であり、学問と建築の擁護者でもあった。

この神はエジプト第5、6王朝のピラミッドの銘文『ピラミッド書』と『死者の書』に出てくるが、遠い昔、西方から来た神と考えられる理由がある。そしてトトは大宇宙を支える古代ギリシャのアトラスと同じ性格を持つものであった。これこそ偉大な文明を有していた太古のアトランティス人の象徴ではあるまいか。そして、その文明の痕跡がなんらかの形でエジプトに伝えられて、秘密の伝承かまたは知識の源泉を知っていた少数の英才の一人イムホテプが、アトランティスの巨石文明の再現を試みたのではないだろうか。

悠久5千年の歴史を秘めたギザの大ピラミッドが王の墳墓であろうがなかろうが問題ではない。これはかつて宇宙の法則のもとに生きた栄光あるアトランティスの一大記念碑であったのだと解しても不合理ではあるまい。あの数百万個の巨石を積み重ねた方法がどのようなものであれ、人間の英知は測り知れぬ太古から不変であったという証しとして、今後もピラミッドは激しい太陽のもとに永久にそびえ続けるだろう。

―終わり―

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